風水でフェラーリ様は買えるのか!: Roots part4 〜魂は死なず〜

2011年03月29日

Roots part4 〜魂は死なず〜

大好きだった母親が病に倒れたのは、オレさまが24歳の夏。病名は肺がん。
厳密には違う病名らしいが一般的には肺がんと捉えてといいと担当医は言った。

母親は相当ショックだった様子。結果、言い渡された内容は腫瘍の出来た片肺を完全に
取り除くという大手術だった。ただ、この手術を受ければあと15年は生きられると医者は
言った。それを聞き母親は泣きながらもこう言ったという。

『子供たちの為に生きます。』

どこまで来てもオレ達のことなの?と胸が張り裂けそうだった。手術は一応成功した。
だが、実際片肺をとったことによる想像以上の体力の体力の低下、そして手術した患部
の痛みが激しく、母親は入退院を繰り返した。なによりも精神的なダメージが大きかった。
患部の痛みを和らげる為に多量に麻酔を打ち続けた。ほとんど一人では起き上がれなくな
っていた。痩せ細り小さくなった母親。麻酔のせいで病院を自分が訪れてもほとんど気付
かない。声を掛けると気付いてこう言った。

『勝行(本名)、起こして。』

自分が起こすとそのまま俺の腕の中ですっぽりと収まってしまった母親。抱かれながら
子供みたいに微かに笑った。めちゃくちゃかわいかった。このままでもいいから生きて
欲しいと思った。だがその願い空しく、その年の元旦に母親は旅立った。

よくわからなかった。正月の空気の中、ただぼんやりと母親は亡くなった。悲しいんだか
なんだかわからなかった。ただみんなのことを考えて一番迷惑の掛らない時期を選んだか
のようだった。そうとしか思えなかった。正月なので親戚から知人まで無理なく皆が集まれ
て、正月のぼんやりとした空気の中で皆のこころの負担が少ない時だったと思う。お通夜
はまるで親戚中が集まった新年会のようだった。参加した友人からはこんなのお通夜じゃ
ねよと言われるほどだった。無事、葬式も終わりなにごともなかった様に普通の生活に戻
った。なにごともなかったように昼間はアルバイトをしていた。だが一人部屋に戻りひとり
になるとダメだった。突然、なんの前触れもなく悲しみが沸き上がり泣いてしまうのだった。
テレビを見ていても、なにをしていても何の前触れもなく感情がたかぶり一人泣きだす生活
が数カ月続いた。

高校を卒業直前ごろから、母親とはなんでも話をした。その頃好きだった女の子の相談
にものってくれた。デートしてふられて帰ると自分を見て、まるで自分のことのように
落ち込んでいた。腹を割った話せる唯一の人がこの世を去ったことはどうしようもなか
った。替わりなどいるはずもない。

そんな時、眠れずにうとうとしていると夢の中にいた。日本から行方不明になった母親。
いくつかの情報を得てついに見つけた先はなんとハワイ。なぜかハワイの山あいで母親
は暮らしていた。おれと親父は母親をなんとか日本に連れ戻そうと説得した。しかし、
どうしても首を縦に振らない母親。泣いても喚いても母親は説得に応じなかった。そして
気迫のこもった表情でこう言った。

『身体が治るまでは帰らない。』

堪忍した親父が泣き叫ぶ自分を引きずり母親から連れ離す。どうにもならなかった。そ
して涙を流しながら目が覚めた。ただいままでと違いどこかすっきりした感じがした。
そして確信した。母親は今、必死になって身体を治しているのだと。そして今度は必ず
産んでくれる。生前、母親はことあるごとにこう言って泣いた。

『今度は必ず産むからね。』

その日から涙はとまった。
そしてもう悲しむことはなかった。


                            Roots  完


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posted by あぶら at 21:41| Comment(10) | Roots | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あぶら様
泣きそうになりましたよ(;_;)。お母さんハワイにいる事が分かって良かったですね。

そしてハワイはやっぱり癒しの場なんですね。私もやはり行ってみたいと思います。素敵なお話ありがとうございました!
Posted by chai-drinker at 2011年03月29日 22:42
私は霊感もありませんし、スピリチュアルなこともさっぱり解りませんが、いつか、あぶらさんと愛する人との間に産まれてくる子は、きっとお母様の産まれ変わりの子なのだと思います。
Posted by みづ at 2011年03月29日 22:56
chaiさん、ありがとうございます。

当時行った事の無いハワイなのかは、今持って謎です(笑)

ハワイ島へは自分もまた行きたいです!

Posted by あぶら at 2011年03月30日 12:16
みづさん、ありがとうございます。

母親の生まれ変わりが自分の子供…
想像つかないですね。子供に怒られたりして(笑)
Posted by あぶら at 2011年03月30日 12:19
いいお母様です。。。

そんなことがあったからこそ、今のあぶらさんがいるのですね。

私も、今年に入って父を肺がんで亡くしたので他人事ではなく、泣いちゃいましたよー。
Posted by えみゆ at 2011年04月01日 13:32
あぶらさん

 私は24歳の夏に父を肝硬変で亡くしたので、父の事を思い出しながら日記を読ませて頂ました。父は今何処にいるのかな 苦しんでないといいな

 風水や九星気学を意識する様になってから、実家は運気の悪い家だったのだなぁと思う節がたくさんあって、少し複雑な気持ちです。

 素敵なお母さんのお話、ありがとうございました。 
Posted by ぴろり at 2011年04月01日 16:09
えみゆさん、ありがとうございます。

今年に入ってお父様を亡くされたって、ほんとにごく最近の事
に積極的に吉方位に向かわれている。素晴らしいですよ。

自分も当時思いました。凹んでばかりだと母親が成仏出来ないと。

お互い頑張りましょう!
Posted by あぶら at 2011年04月01日 19:54
ぴろりさん、ありがとうございます。

確かに自分も以前引越した方位が悪かったと母親に言われた事がありました。
でも風水を始めてから、親父も掃除を積極的にやる様になったりしました。
こういう事ってあるんだなぁと思いました。

今後もいい環境を作って、周囲に少しでも波及すればと思っています。
Posted by あぶら at 2011年04月01日 20:01
僕が高校の柔道部だったある日、先輩との本気の稽古をして鎖骨を折って包帯でグルグル巻きにされて帰ってきた。
家族の帰りをボンヤリ待っていたところ、パートから母が帰ってきた。
動けずに柱に寄りかかっていた僕の姿をみて母の口から漏れた言葉は「代われるものなら代わってやりたい・・・」母の正直な気持ちであることは伝わったし、母の愛というものをとても感じた。
ありがたいことに僕の母はまだ生存している。もっと親孝行したいと思います。
ありがとう、あぶらさん。
Posted by さかもっちゃん at 2011年04月02日 19:38
さかもっちゃんさん、ありがとうございます。

素晴らしいお母様ですね。
今後も仲良く元気に過ごして下さい。

新天地でのご活躍を願っています。

さかもっちゃん、バンザイ!
Posted by あぶら at 2011年04月03日 16:17
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